骨粗鬆症と身体機能低下について

2018年11月8日 maki (閲覧数:16290)

篠崎哲也Dr.

 真木病院は2018年10月31日、ホテルメトロポリタン高崎で真木病院副院長、篠崎哲也医師による健康講座「骨粗鬆症と身体機能低下について」を開催いたしました。

 篠崎医師は伊勢崎市出身。金沢大学医学部卒業後、カナダトロント大学病理学教室留学、群馬大学医学部付属病院准教授として活躍し、平成24年から現職。整形外科専門医として精力的に診療にあたるスーパードクターで、患者様からの信頼も絶大です。

 当日は「骨と骨粗鬆症」「ロコモティブシンドロームとロコトレ」「筋肉」「フレイル」についてわかりやすく説明してくれました。

 骨粗鬆症は骨の強度が低下し骨折しやすくなる状態で軽微な外力で骨折しやすくなります。骨粗鬆症予防のために、ご自分の骨の状態を把握しようと、人間ドックで骨粗鬆症の検査を受ける方が増えています。

 骨粗鬆症の検査にはいくつかの方法があり、公的な検診の多くは「MD法」指定ですが、最も有効とされる「DXA(デキサ)法」で、真木病院では他の病院に先駆けて「最新鋭の骨密度測定装置」を導入したこと、これと「骨代謝マーカー」を併用することにより骨の量と質を検査することができること、骨粗鬆症になってしまったら、運動、食事と薬物治療を行うことなど順を追って説明されました。

 骨粗鬆症の予防にはカルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取を意識した食事をすること、1日30分、8000歩程度の運度を続けること、筋肉を落とさないこと、1日15分程度は日光に当たることなどが重要となります。

 最近、耳にすることが多くなった「ロコモ」=「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」は、骨・関節・筋肉・神経で構成される運動器の疾患で、運動器の働きが衰えると介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高くなります。

 また、健常な状態と要介護状態の中間の状態を「フレイル」といい、「フレイル」は単に身体的な要因だけでなく、精神的要素(認知機能、うつ病など)や社会的要素(住まい方、経済力など)を含めた概念で、可逆的であること。つまり、暮らし方や社会との関わり方を変えることで健常な状態に戻れると考えられているなど話されました。

 篠崎医師は歩ける体を維持するために「ロコトレ」を提唱。室内でできる「ロコトレ」として「開眼片脚立ち」と「スクワット」を挙げ、トレーニングのポイントを教えてくれました。

 「開眼片脚立ち」が15秒間維持できない場合には、運動器の衰えが疑われるため、骨粗鬆症、ロコモティブシンドロームの検査を受け、適切な診断、治療を受けるようにと力を込められました。

健康講座は年2回、春と秋に開催しております。どなたでもご参加いただけますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。