膵臓がん診断の進歩

2014年11月19日 maki (閲覧数:5019)

須山正文Dr.

 真木病院は2014年11月5日、ホテルメトロポリタン高崎で、順天堂大学附属浦安病院消化器内科 教授であり、当院の「肝・胆・膵臓外来」を担当しております須山正文先生による健康講座「膵臓がん診断の進歩」を開催いたしました。

 須山先生は肝臓堪膵疾患の内科的治療における第一人者で、肝臓堪膵疾患の研究と治療の現場で活躍されています。

 当日は疾患を見つけにくい臓器である膵臓の検査方法の変遷、さまざまな検査機器、そして須山先生が現在、真木病院で行っている検査、診断法についてお話しになりました。

須山先生による講演内容の概要

 膵臓は30年以上前には暗黒の臓器といわれ、膵臓疾患の診断は難しいものでした。当時から内視鏡を用いた膵管造影(ERCP)で診断されていました。1970年代にCT、超音波(エコー)が発明され飛躍的に診断できるようになってきました。その後MRIも診断に加わり、非侵襲的な検査として用いられています。

 膵癌とは膵臓に発生する癌(悪性腫瘍)の総称である。一般的に恐れられている膵癌は通常型膵癌とよばれ、切除しても数年、切除できなければ平均半年の寿命といわれる疾患です。診断は膵臓に腫瘤(塊)をみつけることでしたが、胃や大腸がんのように粘膜に限局した上皮内癌が膵臓にも存在することが分かってきました。また膵癌のリスクファクターとして糖尿病、癌の家族歴、膵嚢胞、膵管内乳頭粘液性腫瘍などが分かってきました。真木病院では超音波、CT、MRIなどで膵臓に病変がみられたらERCPで膵液を採取し、膵液に浮遊している細胞を顕微鏡で診断する方法を行っています。他の施設ではこの方法で上皮内癌を診断し切除した報告もありますし、順天堂でも経験していますので有用な診断法だと考えています。 
以上、講演した内容を簡略に述べさせて頂きました。

健康講座は年2回、春と秋に開催しております。どなたでもご参加いただけますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。
須山先生の「肝・胆・膵臓外来」の診療日は外来診療のページでご確認ください。