リハビリテーション科
リハビリ室
2025年5月より、リハビリ室を拡張し新しくなりました。ADL(日常生活動作)練習スペースや床上動作練習のスペースを作り、より一層自宅での生活を想定したリハビリを提供出来る体制となっています。




PT、OT、STの役割
理学療法士(PT)
身体などに障害を抱えた方に対して、座る・立つ・歩くといった基本的な動作能力の回復・維持を目指します。主な方法としては、筋肉や関節を動かしていく「運動療法」や、電気刺激や温熱・マッサージなどを行う「物理療法」などがあります。
各患者の症状や部位、リハビリの段階などに合わせて、関節可動域訓練や動作訓練、歩行訓練など、さまざまな方法を組み合わせて治療にあたります。同時に、健康な方々の身体機能の維持・増進を通じて、未来の怪我や病気を予防するといった役割も担っています。将来的に、身体機能が低下することが予想される高齢者に向けた対策なども兼ねており、その仕事は幅広いものとなっています。



作業療法士(OT)
食事や着替え、家事や仕事といった日常生活に関わるすべての諸活動において、様々な方法でサポートしていきます。
ここでいう「作業」とは、食事や買い物、洗濯など日常生活の基盤となるものから、外出・仕事・コミュニケーション・運動・手工芸などさまざまなものを指します。つまり、生活に関わるあらゆる活動を「作業」として位置づけ、これらを活用しながらリハビリを行っていきます。
また、患者の生きがいとなる作業にも着目するため、趣味が編み物である方には編み物の練習をしたり、他にも折り紙やガーデニング、畑仕事などの練習をすることもあります。
当院では、肩や腕、手指といった上肢の骨折などは作業療法士が中心となってリハビリを実施させていただいております。


言語聴覚士(ST)
言語聴覚療法では、「話す・聞く・食べる」といったことに障害を抱える人を対象としてリハビリを提供していきます。たとえば、脳血管障害により聞くこと、話すこと、食べ物を飲み込む嚥下(えんげ)に障害を抱えている方、口腔がんの手術を行った方、言葉に関する発達の障害がある子どもなどを対象とします。
また、明らかな原因が無くても、寝たきりで筋力が衰えてしまい、普通の食事を食べることが困難になってしまった方や、認知症の方もリハビリの対象になります。
言語聴覚療法のリハビリでは、こうした方々に対して訓練・指導・アドバイスなどを行います。

摂食・嚥下リハビリ
当院では食事の際にむせてしまう、飲み込みに不安がある方。肺炎を発症し誤嚥のリスクがある患者様を対象にVF(嚥下造影検査)を行っています。VFとは、X線透視下で患者さんの口腔~咽頭の動きや食塊の流れを観察できるようになっており、その様子をもとに嚥下機能を評価します。
医師・看護師・言語聴覚士・管理栄養士等でチームを作り包括的な支援を行っています。患者さん1人ひとりの栄養状態や身体機能を評価し、安全に適切な形態で食事が摂取できるようリハビリを行っています。また、管理栄養士と共に嚥下調整食の内容を相談し、安全に美味しくお食事を摂取して頂けるように取り組んでいます。
当院では摂食・嚥下リハビリは主に言語聴覚士が実施しております。


外来リハビリ
外来リハビリテーションとは、在宅生活を送りながら通院可能な方に対して行われます。当院では主治医より外来リハビリが必要と診断された方、退院後にも継続的なリハビリ介入が必要と判断された方が対象です。

- 疾患
-
運動器(肩腱板断裂、膝・股関節変形症、骨折等)
脳血管(脳卒中後遺症、頚椎症、脊髄損傷等)
呼吸器(肺炎、慢性呼吸器肺疾患等)
廃用症候群
注意事項
※リハビリ毎に主治医による診察を受けていただきます。
※他院でリハビリを受けている方は、当院でリハビリを受けることはできません。
※リハビリテーションには日数制限があります。
(運動器:150日、脳血管:180日、呼吸器:90日、廃用症候群:120日)
外来リハビリ診療案内(2025年5月時点)
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月火水木金土
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- 午前
(9:00~) -
〇
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〇
-
〇
-
〇
-
〇
-
〇
- 午後
(15:30~) -
〇
- 休診
- 休診
-
〇
-
〇
- 休診
- 午前
午前 (9:00~12:00) | 午後 (14:00~17:00) |
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月 | 〇 | 休診 |
火 | 〇 | 休診 |
水 | 休診 | 〇 |
木 | 休診 | 休診 |
金 | 〇 | 休診 |
土 | 休診 | 休診 |
※日曜日、祝日は休み
開始までの流れ
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- 1主治医よりリハビリ依頼
- リハビリの必要性がある場合、主治医よりリハビリ依頼があります。
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- 2注意点等の説明と初回の予約
- 外来リハビリについての注意点等を説明させていただき、初回の予約をお取りします。
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- 3リハビリ開始
- 予約日に来院していただき、リハビリ開始(40-60分程度)
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- 4次回予約
- 次回予約はリハビリ終了時にお取りいただきます。
Point of Care
当院では地域包括ケア病棟に入院されている患者様に対し、P.O.Cリハビリを行っております。P.O.Cリハビリとは、Point of Care といい患者さんのしている動作に直接介入することが出来きます。
例えば、「トイレにいけるようになりたい」という声がよく聞かれます。病棟での実際の練習に繋がること、患者さん自身の成功体験が増えること、病棟との情報共有にきっかけになるなど多くのメリットが上げられます。
その後、お昼前にスタッフ、患者様を集め集団で体操など実施しています。そうすることで、離床時間(ベッドから離れる時間)を増やし、筋力低下や認知症の進行、褥瘡などの合併症を予防することが期待されます。

リハビリ機器
POPO(免荷式歩行リフト)
足に全体重がかからないように、歩行練習を行うことが出来ます。骨折によっては、医師より部分荷重(全体重に対して1/3や1/2の量の体重をかけること)の指示が出ますので、この道具を使用して歩行練習を実施します。また、ハーネスを装着して使用するため、練習中は転倒のリスクがありません。

下肢荷重計
医師より部分荷重(全体重に対して1/3や1/2の量の体重をかけること)の指示が出た際に、患者様自身がどのくらい体重がかかっているか、タブレットで確認しつつ歩行練習が出来ます。常にモニターしながら歩行練習が可能なので、安全に部分荷重の練習が出来ます。また全荷重後も、しっかりと体重をかけて歩けているか確認のため使用もします。

レックカール・ヒップアブダクション(タートルジム)
足の筋肉を鍛えられます。当院では「タートルジム」という製品を使用しており、力の弱い方は軽い負荷、力のある方には負荷が増加し、自分の筋力に合わせて負荷がコントロール出来るものになっています。このため、筋損傷のリスクが少なくご高齢の患者様にも有効に活用出来ます。

物理療法機器
超音波や極超短波治療機器、低周波治療機器などを置いてあります。また、超音波画像装置(エコー)もリハビリ室にあり、筋肉の状態や動きなどみながらリハビリに役立ています。

その他、より良いリハビリが提供出来るよう様々な機器を購入・検討しております。
勉強会風景
当院リハビリテーション科は月に1度、当院のリハビリ専門医も交え、文献抄読や事例検討会を行っています。研究活動なども実施しており、日々患者様により良いリハビリテーションが提供出来るよう研鑽しております。
